手がけてきたこと
WORKS

旅宿 道 – MICHI –

善光寺と戸隠、世界と日本をつなぐ「道」

長野市街地の西側、善光寺仁王門から歩いて15分ほど、完成な住宅街に佇む推定築200年の古民家をリノベーションして、宿泊施設と飲食店の複合施設をつくりました。

建物面積は、200平米以上。庭や駐車場も含めるとかなりの広さがある敷地です。
この古民家に出会った際に、石垣に囲まれ奥行きのある建物の佇まいと、その豊かな庭に感動し、「残したい」と思ったことがそもそもの始まりでした。
この家の建物の歴史を受け継ぎ、善光寺と戸隠、そして日本と世界をつなぐ長野の滞在拠点を作れないだろうか、さらには昔から地域を見守ってきた古民家を地域に開き、人々の交流が生まれるような空間を。

だれと、どうやって創るか。

地区の名前が新諏訪であったため、諏訪市と間違えられないように、「新長野古民家プロジェクト」と題したプロジェクト。母屋の半分を当社で運営する一棟貸しの宿に、半分を飲食店として事業者を募る計画を立てました。
数年前にオーナーが去り、しばらく空き家になっていた建物は、古い荷物が残り、生活感が漂っていましたが、
昭和の時代に増築された床、壁、天井などを剥がし、建物を建築当初の状態に戻す=「減築」するところから、プロジェクトがスタートしました。

床や壁を剥がすと、100年以上前の土間や沓石が現れた

 

飲食店の募集を始めると、梁と柱だけのスケルトンになった空間を見て、苦笑いをする人もいましたが、運良く、この空間に夢を膨らませ、“地域の人に喜ばれるような居酒屋をやりたい”と、熱い想いを語ってくださった若いご夫婦との出会いに恵まれました。
設計と大工工事はリノベーション工事で実績豊富な信濃町在住の大工さんに依頼。
2025年春、古民家改修工事が始まりました。

GOOD TIME BUILDの林拓さん。古民家ならではの歪みを現場で調整しながら建てる姿はまさに職人技

 

宿部分の設計は至ってシンプル。玄関だけは飲食店と分けるために新設したものの、基本的には既存建築のゾーニングを大きく変えることなく「活かす」工事でした。壁と床の塗装、家具の選定と設置はDIYで行うことで工事費を節約しました。
知識も経験もない素人がパテ埋めなどの下地処理から仕上げまで行うのは大変でしたが、その分職人さんの技術や手の早さに改めて気が付くことができ、良い機会となりました。

古民家の改修をめぐるストーリーは「開業までの物語」として記録し、instagramで発信していましたので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
>>michi 公式instagram

世界のゲストがローカルと融け合う宿

2025年7月末、居酒屋「なないろ」がオープン、それとほぼ時を同じくして「旅宿 道」が開業しました。
「道」は、2泊3日以上の連泊を基本に販売することで、狙い通り、外国人旅行客のみが利用する宿になりました。無人対応の一棟貸しとはいえ、ゲストがそこに足を踏み入れた瞬間に感動を与えられるように、照明、装花、温度管理、手紙のセットなどのオペレーション設計にも力を入れました。

「旅宿 道」は長野駅から車で15分ほど離れ、車がないとアクセスがしづらい施設です。
しかし、ゲストの半分はバスやタクシー、あるいは徒歩でこの宿へやってきます。
善光寺の近くで歴史を刻んできた古民家での静かな宿泊が、海外からの旅人たちを惹きつけています。

さらに、宿の隣にある居酒屋「なないろ」の存在は、宿の顧客満足度を大きく押し上げています。
気さくで明るいご夫婦に迎えられ、焼き鳥やお刺身など気取らない居酒屋の料理を味わい、日本酒やビールを飲むひとときが、旅人たちに長野のローカルに融け込む体験として感動を与えています。

OUTLINE
PROJECT
旅宿 道 - MICHI -
ADDRESS
長野市新諏訪2-5-10
URL
「旅宿 道」公式予約サイト
CREDIT
ディレクション
宮川 友紀(andcraft,inc)
施工管理
和田峻也(和田内装株式会社)
設計・大工工事
林 拓(GOOD TIME BUILD)
オペレーションサポート
金子健紀、ラミレス美佳、田口 理恵
写真撮影
清水 隆史