軽井沢の森に
時を超えて息づく物語。
長野県軽井沢町にある国の重要文化財「旧三笠ホテル」。2025年10月のリニューアルオープンに伴い、写真撮影、ウェブサイト、リーフレット、入場チケットの制作を担当しました。
Outline
「旧三笠ホテル」は、日本郵船や明治製菓の重役を務めた実業家・山本直良が1906年に創業。西洋に学んだ最先端の技術・意匠・材料を用い、全て日本人の手で建てられた木造純西洋式のホテルは、その後多くの文化人や財政界人に愛され、一時代を築きました。1980年に軽井沢町に寄贈され、国指定重要文化財に指定。その後、一般公開が行われてきましたが、施設の老朽化に伴って大規模な保存修理が必要となり、2020年より長期休館。
約5年半にわたる保存修理事業が完了し、2025年10月1日にリニューアルオープンしました。当社は指定管理者である株式会社日比谷花壇様より依頼を受け、リニューアルオープン告知や集客の要となるウェブサイト制作を担当。リーフレット、入場券などの紙媒体制作しました。

Web Design
ウェブサイト制作の基本要件としては、クラシカルなデザインであること、WEBアクセシビリティについてはJIS規格に基づいたチェックを行うことが求められました。そのため配色、文字のサイズ、ボタンの操作性など注意深く配慮してデザインを進めました。読み物コンテンツとしては、「旧三笠ホテルについて」のストーリーページを作成。歴史的写真や保存修理工事の様子など、軽井沢町に協力していただきながら丁寧に作り込みました。

Photograph
撮影は建築撮影、モデル・物撮り撮影を2日に分けて行いました。建築撮影は、朝から真夏の太陽が照りつけるよくないコディションではあったものの、陽が雲に隠れる一瞬を待つなどして西洋建築の威風堂々とした佇まいや、意匠、インテリアなどのこだわりを引き立てるカットを撮り収めました。
施設内のカフェやミュージアムショップ、衣装体験などについては、撮影時に内装工事が未着工、内容も未確定の状態ではありましたが、建物の佇まいの良さにも助けられ、質の高い撮影ができました。

Graphic Design
入場チケット、来場者用リーフレットのデザイン制作も行いました。リーフレットは日本語版をベースに、英語、繁体字版に翻訳。A4三つ折りという限られた誌面スペースのなかで、建築の歴史や見どころ解説など、最大限わかりやすく魅力が伝わるよう編集しました。

建築以来さまざまな困難を乗り越え、その歴史が現代まで継がれてきた旧三笠ホテル。軽井沢のシンボルとして新たに生まれ変わった施設が、末長く存続し、人々に感動を与える場となりますように。
