人と自然が向き合い、人と人が文化を育む場所としての山小屋

長野県と富山県の県境、どんな登山口からも2日はかかる奥地に黒部川の源流があります。その昔、“山小屋建設不可能地帯”と言われたその地に3つの山小屋を建てた開拓者・伊藤正一氏の著作『黒部の山賊』を足がかりに、父の遺志を継ぐ2人の小屋主を取材。前後編の読み物を制作しました。
特に印象的だったのは、雲ノ平山荘。2010年に建て替えられたというその木造建築は、建物・雰囲気・サービス含め、それまでの山小屋の固定概念を覆す場所でした。まずその建築に興味を持ったわたしたちは、小屋主の伊藤二朗さんにお話を伺いましたが…

山小屋での取材のあと、二朗さんのオフシーズンの拠点(神奈川県三浦半島)での追加取材を行い、彼の山小屋と登山文化にまつわる知識と想いの深さを追求するとともに、個性的なライフストーリーを引き出し、より多くの読者に読みやすい物語となるように試行錯誤して編んだ渾身の一編です。

.HYAKKEI 伊藤正一を継ぐ者たち(後篇)