高断熱・高耐震・省エネ施工を実現する「企画住宅」のシェアリングサービス「HiL」事業を推進しているYKK AP株式会社事業開発統括部様。2024年にホームページのリニューアル、to B向けサイト、各種印刷媒体の制作をご依頼いただきました。
今回は、事業開発統括部長でワールドハウジングクラブ取締役COOの東克紀さまにアンドクラフトに仕事を依頼した背景や感想についてお話を伺いました。
_はじめに、HiLさんの事業内容について教えてください。
HiLは、高断熱・高耐震・省施工の高性能企画住宅商品を扱うシェアビジネスの総称です。近年、住宅業界では、高性能化への取り組みをしたいがどこから取り組めばいいかわからないとか、職人さんの確保が難しく工期に間に合わないとか、そもそも住宅需要が低下していて利益の確保が難しいというような課題が生じています。そういった地域の工務店が抱えているさまざま課題を解決する手段として、HiLのシェアビジネスが生まれました。
HiLの参加方法には2パターンあって、ひとつは「出店」です。自社が考案した住宅プランをHiL仕様※で住宅キット化してHiLに出店し、そのプランがHiL登録店で建築されると、出店事業者に利用料が入る仕組みです。もうひとつは「販売登録」で、月額5万円の利用料でHiLの全商品(約20モデル)を自社の商品として顧客に販売することができます。高性能の住宅商品が扱えるというだけではなく、集客支援、営業支援、工事の省力化のしくみがパッケージ化されている点がHiLの強みです。
※HiL仕様…高性能パネル化、高断熱化(UA値0.46以下)、高耐震化(耐震等級3)
_アンドクラフトにお仕事をご依頼いただいたときには、どのような課題を抱えていらっしゃいましたか?
2019年のサービス開始から5年が経ち、徐々に登録店が増え、HiLの住宅キットを取り扱う流通店も増える一方で、既存のホームページの情報量も増え、「使いづらい」、「どこに何があるかわからない」というような声が聞こえてくるようになりました。妻にきいても、「ボタンがいっぱいあってわからない」と酷評されました(笑)。
今後のビジネス拡大のためには、to B(住宅事業者)とto C(一般ユーザー)への情報発信を分ける必要があったのですが、何から手をつけたらいいか、というような状況で…以前からHiLの印刷物(コンセプトブック・商品カタログ等)の制作を依頼していてご縁のあったアンドクラフトさんにお声がけすることになりました。

HiL初期に制作したコンセプトブック(2021年)
_アンドクラフトの印象・仕事ぶりはいかがでしたか?
とにかくレスポンスが早いなというのが最初の印象でした。初回はオンラインでしたが、翌月には宮川さんが長野から虎ノ門まで出向いてくれて、熱意の強さを感じましたね(笑)。最初は皆が好き勝手にいろいろ言ってまとまりがなかったと思うけど、漠然とした課題をよく整理して制作のプロとしてスピーディーに提案してくれたのが良かったと思います。
複数回の打合せを経て、HiLのtoC向けの総合サイトと登録店募集サイト、そしてHiLビジネスのサービスガイドのリーフレットを作ることになりました。自分は制作段階で直接やりとりすることはあまりなかったけど、チャットワークなどでやりとりを見ていると、担当者の細かい質問によく対応してくれて、納期を守りながらクオリティの高いものを作りあげてくれたので、非常にありがたかったですね。
以前のホームページ管理会社は対応が遅く、言われたことしかやらないのに金額はけっこう取るような会社だったので、アンドクラフトさんの対応力や提案力の高さは、とても心地良いです。ホームページの公開後も細かい調整やウェブからの集客の提案もしてくれてとても助かっています。
_ホームページリニューアルやビジネスガイドの反響はいかがでしたか?
全般的に高評ですよ!ホームページはデザイン的にもかなりグレードアップして、情報もよく整理されていて見やすいですし、更新などもしやすいときいてます。ビジネスガイドはHiLビジネスの内容が網羅されていて、早速昨年11月のYKK APフェアで活用させてもらいました。営業トークが苦手なスタッフでも、お客さんに説明しやすくなったようです。

YKK AP FAIR2024では、HiLビジネスガイドが営業ツールとして活躍
_ありがとうございました。最後に今後の展望をきかせてください。
HiLはこれまで主に工務店や、流通店向けにサービスを展開してきたんですが、これからは本部が登録店に送客できるような体制にすることが目標です。そのためには、本部としてユーザーニーズに応える住宅商品の開発はもちろん、HiLの家のメリットをわかりやすく発信していくことが必須です。
今、軽井沢にMINIMA(HiLオリジナル商品)のモデルハウスを2棟建てているんですが、2棟の断熱性能をあえて変えることで、HiLの住宅性能を体感できるようなしかけを作っています。この2棟は宿泊施設として運用するので、一般のお客様はもちろん、工務店や流通店の人たちにも来てもらって、HiLの家を使った新しいビジネスチャンスを与えられるような場所にできればと思っています。アンドクラフトさんは自社で宿泊事業も取り組まれているので、ぜひ一緒に盛り上げていっていただければと思っています。

西軽井沢のHiLMINIMAリゾートモデル建築現場にて